・お口の問題はたくさんあっても、実は原因は2つだけ。
実は、お口の中の問題は全て、2つのポイントに収束致します。
それは、「細菌」と「咬合(こうごう)」です。
言い換えれば、この2つのどちらか、または両方が原因となって、
様々な症状が引き起こされるのです。
そして、全ての治療法もまた、この2つのどちらかの解決・改善に
必ず関係します。
歯科医が担当させていただく問題は、分野から各症状の程度に至るまで、
様々です。
たとえば虫歯に始まり、歯周病、ドライマウス、
歯列矯正が必要なケース、審美歯科、
その他の歯周内科/外科と、非常に多くです。
しかしこれらは全て、「細菌」か「咬合(こうごう)」の問題に
集約されるのです。
「細菌」が、虫歯や歯周病の原因であることは分かりやすいかと思います。
歯周病は、歯周病菌による感染症であることも間違いありません。
しかし、実は歯周病の原因はそれだけではないのです。
むしろ咬合、つまり噛み合わせが悪いがために引き起こされる歯周病を、
もし歯科医が認識できなければ、歯周病菌に何度対処しても、
繰り返し歯周病が再発してしまうといった事態になってしまうのです。
・知られざる問題 ~咬合から始まる症例とは~
ある大学病院の先生が、40代、50代、60代の100名の歯周病の患者さんの、
「歯周病になった原因」を調査しました。
一般的に、歯周病は「歯石や歯垢を通じて歯周病菌が引き起こす」としか
思われていません。
ところが、実際に細菌が原因で歯周病になった患者さんは全体の
約3割ほどしかいなかったことが、調査によって分かりました。
では残りの大半の方たちは、一体何が原因で歯周病になったのでしょうか。
そうです。噛み合わせです。
奥歯が歯周病になるケースの大半が、実は噛み合わせの悪さによって
引き起こされるのです。
そもそも、噛み合わせに影響を及ぼす要素はとても多くあります。
歯の大きさや生えている向きだけでなく、歯の噛合面の角度や、
噛む力を決める「咬筋の強さ」なども、その人の歯並びや顎の形と合わせて
調和が取れていなければなりません。
たとえ上下の歯がぴったり噛み合っていても、噛む力とつり合いが取れていなければ、
特定の歯に負荷・圧力がかかってしまうことになります。
歯は毎日使うものですから、やがて歯はグラグラになったり、
歯茎が炎症を起こしたりします。
これが、噛み合わせが原因となって起こる症状の一例です。
この例では、前述のとおり歯周病の治療だけを行なっていると、
咬合の問題が解決していませんので何度も再発が繰り返されて
しまうことになります。
ですから、細菌(歯周内科学)と、咬合の両方の知識に長けている
歯科医を、私はおすすめ致します。
歯科医次第で、たとえばインプラントにしましても、
「歯の折れた部分を治すこと」だけしか考えずに作られるのか、それとも
「この1本のインプラントで、噛み合わせの問題まで解決させること」まで
行なってくれるのかといった、大きな違いが生まれてくるのです。