フラップレステクニック
ワンポイント説明
メスを使わず、小さな穴を開けてインプラント手術を
行うテクニック。歯肉のダメージを通常の約10分の1に
抑えられる。
説明
概要は、通常のインプラント手術では必要とされる、メスを使った歯肉の切開や術後の縫合などを不要とし、小さな穴を開けることでインプラントを埋入するテクニックである。
これにより、外科手術全般に抵抗のある患者さまでも、切開や縫合の恐怖もなく、短時間でインプラントを埋入することが可能となった。
具体的な施術方法としては、まず歯肉を切開せず、歯肉パンチでインプラントを埋入する位置に穴を開ける。ここで、たとえばオステオプッシャーなどの専用器具を用いて穴を適切な大きさに広げた後は、インプラントを埋入すれば手術が完了してしまう、といった具合である。
切開や縫合を行わないため、非常に短時間で手術を行なうことができる。(状態にもよるが、1本あたり10分程度。)また、切開や糸で縫うことから来る「腫れ」や「痛み」に、術後悩まされることも非常に少ない。出血も少なく、薬も最小限に抑えることができる術式である。
ただしフラップレステクニックは、歯肉の上から骨を見ずに行なわれる手術であるため、他のインプラント手術以上に歯科医に高度な技術が求められる。また、どのようなケースでもすぐに受けられる手術でないため、事前に念入りな診断が必要となる。
【条件:対象者】
・切開や縫合することを避けたい患者様
・インプラントを埋入するのに充分な骨幅がある患者様
特長
【手術が短時間で済む】早いケースでは、1本あたりわずか10分程度で済む。
【浸襲が最小限に抑えられる】切開しないため、歯肉へのダメージを抑えられる。また、血もほとんど出ないことが多い。
【術後の痛み・腫れが少ない】縫合や切開を行わないため、手術後の痛みや腫れを最小限に抑えることができる。
症例、実際の患者様より(Y様の場合)
【結果】
・ 当院にてインプラント手術を実行
【経緯】
・ この患者様は非常に怖がりな女性の方であった。
・ なんとかインプラント手術を決断。
・ しかし歯肉を切開したり糸で縫合するのがどうしても怖いと主張。
・ そこでフラップレステクニックを採用。手術は以下の流れで行われた。
1)歯肉を切開せず、専用の器具で丸く切り取る。(パンチングテクニック)
2)切り取った所からインプラントを埋入。(以上がおよそ10分程度)
3)その場で仮り歯もセット。