アメリカの歯科業界に身をおいていた私にとって、日本の歯科技工の水準が低すぎると私は思います。
その理由として代表的な事は、【権威】と【技工士費用】の2点です。

まず1点目の【権威】についてです。
詳しくは次の「日本とアメリカの歯科医と歯科技術について」にて書かせて頂きますが、歯科業界を取り巻く環境が違います。悲しいかな日本の歯科業界では歯科技工士は歯科医の下請けととらえている歯科医、患者様が非常に多いのです。当然全ての歯科医や患者様がそのような方ではありません。
訴訟大国であるアメリカではどの業種も常に「ミス＝訴訟」というリスクの基に仕事をしております。些細なミスでも許されないことが現状であります。当然、もし歯科治療においてミスが発生した場合、歯科医と歯科技工士に対して責任の所在を徹底的に追求していくことが必然事項です。ですから、歯科技工士も高い意識での仕事が必然的に求められるのです。
逆にいうと、日本の歯科技工士は仕事に対して甘える要素があるといっても過言ではないでしょう。甘える要素とは、技工士の技術力、情報力、口内環境や口外環境、その他関連知識、医療に関する考えなど多岐にわたります。別に知らなくても、歯科医師からの注文の通りに歯を制作すればよいという時代は終焉したと私は感じております。今、私たち日本の歯科技工士にとって必要なのは、強いプロフェショナルの意識であり、歯科技工士全体がそれを身につけた時に日本での権威が上昇することと信じております。

そして2点目の【技工士費用】についてです。
オールセラミックという材料の歯を制作した場合、日本の歯科技工士が制作したものと、諸外国のアメリカやヨーロッパの歯科技工士が制作したものは3倍以上の金額でドクターに納めている状況が事実です。これは日本人の特性でもありますが、技術やデザインといった眼に見えないものには費用をかけず、形のあるモノに費用をかける習性が関係しているのかもしれません。
では何故アメリカやヨーロッパでは技術者は日本の3倍以上で卸しているのでしょうか？
それは、一つのモノを制作するための工程が多いからです。逆に、海外の技工士や歯科技術と比べて日本の制作工程は非常に少ないと判断せざるをえません。

日本の現代社会の風潮では良い仕事ができないため、新しい歯科技術の追求と普及を考え、ティースデザイナー®という分野を作りました。歯科技工士から新たに改名し、ブランド化させ魅力のある職業にすることで、新しい若者によって歯科技工士業界が発展していくことも私の目標の一つでもあります。

すべてはお客様に良いモノ、嘘の無いものを提供することが私の根幹であります。
ティースデザイナー®が当たり前になる時、日本の歯科業界の意識、また一般の人の歯に対する考えが変化していることを確信しています。

※ティースデザイナー®は商標登録されています。